H¹O梅田茶屋町

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H¹O梅田茶屋町

木材が組み込まれたオフィスビルにおける「脱炭素」実現に向けた挑戦

2023年2月、多くの商業施設やオフィスが建ち並ぶ大阪梅田駅から徒歩4分の距離に、「H¹O梅田茶屋町」が完成しました。木材の積極的な利用と、先進的な設備を備えた環境配慮型オフィスビルです。利用者の生産効率向上を追求した、快適環境を提供します。

野村不動産が提供する「H¹O」は、少人数向けのサービスオフィスです。「H¹O梅田茶屋町」は、木材を仕上げ材としてだけでなく、構造体や耐火構造にも使用しています。木に包まれた空間デザインを提供し、二酸化炭素削減や森林認証取得などの環境配慮を含めた先進的なオフィスを実現しています。
利用者の生産性や創造性向上を促す自然の要素を多く取り入れ、利用者の多いラウンジとエントランス部分に一部木造を採用しております。仕上げ材だけでなく構造体にも木造を使用し、鉄骨造と木造の入れ子構造になっております。都会的でスタイリッシュ、かつ木を基調とした自然のぬくもりを感じられるオフィスとなっています。

H¹O梅田茶屋町
  • 柱や天井横架材に木材を用い、自然を感じられる2階ラウンジ
    柱や天井横架材に木材を用い、自然を感じられる2階ラウンジ
  • 木の突板シートや木製ブラインドを使用し、自然素材の要素を取り入れた事務室
    木の突板シートや木製ブラインドを使用し、自然素材の要素を取り入れた事務室

工事概要

建物名称

H¹O梅田茶屋町

発注

野村不動産株式会社

所在

大阪市北区茶屋町16-1

構造

鉄骨造一部木造

延床面積

2,187.33㎡

階数

地上8階、塔屋1階

設計・施工

東急建設株式会社

工期

2022年1月~2023年2月

脱炭素と快適なオフィス環境の実現に向けた3つの取り組み

1

当社初の耐火木造(1時間耐火)の設計

H¹O梅田茶屋町

「H¹O梅田茶屋町」は、当社初の耐火構造による木造化を設計施工により実現しています。鉄骨構造の中に木造を入れ込むというシンプルかつ大胆な入れ子型木造方式が採用されました。木造部分と鉄骨造部分はエキスパンションジョイントを使って分離し、これにより木造部分は1時間耐火構造にて計画しています。

2

環境配慮に向けた取り組み

木造化によって、純鉄骨造と比較して、約11tの二酸化炭素排出量を削減し、約22tの炭素貯蔵量(CO₂換算)の効果を上げています。また、環境に配慮された森林認証材を使用し国際的な森林認証制度であるSGECプロジェクト認証の取得を、全面的にバックアップしました。当社は、野村不動産株式会社を管理主体とするプロジェクトメンバーに参画し、認証取得のための調査・申請準備・発注・設計・施工などを行いました。

3

快適なオフィス環境創出に向けた先進的な取組み

自然光を効果的に取り込むため、全事務室カーテンウォール又は連窓サッシを取り入れています。全事務室に縦滑り出し窓設置することで室内と室外を繋げ、広がりや開放感を与えます。
また、現し天井をラウンジ、全事務室、専有フロア共用廊下に採用しました。自然光を取り入れるだけでなく、高天井により建物内の空間が開放的に感じられ、圧迫感を軽減しています。
さらに、生体認証によるセキュリティ設備を設け、安全かつスムーズなアクセスを実現しています。

  • 東面外観:自然採光、自然通風を積極的に活用、また外観全体が木を基調としたデザインとして、木質や木調素材を各所に使用
    東面外観
    自然採光、自然通風を積極的に活用、また外観全体が木を基調としたデザインとして、木質や木調素材を各所に使用
  • 角部屋眺望の確保:柱のセットバックと現し天井により、角部屋からは開放的な空間と眺望を確保
    角部屋眺望の確保
    柱のセットバックと現し天井により、角部屋からは開放的な空間と眺望を確保
  • 現し天井による高天井:ラウンジ、全事務室、専有フロア共用廊下に採用し、開放的かつ圧迫感を軽減
    現し天井による高天井
    ラウンジ、全事務室、専有フロア共用廊下に採用し、開放的かつ圧迫感を軽減
  • 生体認証によるセキュリティ設備:各所に生体認証によるセキュリティ設備を設け、安全かつスムーズなアクセスを実現
    生体認証によるセキュリティ設備
    各所に生体認証によるセキュリティ設備を設け、安全かつスムーズなアクセスを実現

環境に配慮した建物づくりを目指して

当社では「脱炭素」を提供価値の一つとして環境配慮経営を推進しており、「脱炭素」への貢献の大きい木造・木質化建築を増やしていく方針です。近年、SDGsの達成やESG投資を意識する企業が増えてきており、木材利用の流れを強く後押ししております。持続的に活用するには木材利用を計画的に推進する必要があり、当社では循環利用に貢献する活動を行っております。今後も木造・木質化建築の普及を目指して技術開発を継続するとともに脱炭素社会に率先して貢献し、木のイノベーションにより木心地のよい環境未来都市を創造してまいります。

作業所長コメント

木造・木質化建築への想い

「H¹O梅田茶屋町」では、発注者である野村不動産株式会社H¹Oシリーズのブランドコンセプト「“働く人が幸せに生きる”Well-Beingな環境を提供する」の実現に向けて、様々な要望を汲み取り、その上で木造を用いたオフィスのあり方について、発注者と共に丁寧に検討を重ねていきました。困難も多くありましたが、当社として初めて耐火建築物に木材を構造体として導入した意義は大きいと思っています。
最近、建設業界では木材利用を促進する取り組みが急速に進んでおり、現代の環境課題に対応する持続可能な建築手法として重要視されています。構造材や仕上材に積極的に木材を活用することで、環境課題の解決とお客様のニーズに応えていきたいと思います。