東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏)は、道路土工、河川堤防、宅地造成などの盛土工事において、施工中の地盤剛性をセンサーで測定することで、施工面全面の品質を評価・管理することを目的とした「地盤の剛性測定による盛土の品質管理技術※1」を開発し、当社が施工する道路土木工事に一部適用しました。本技術の導入により、従来の「点」による抜取検査から、ICTを活用した「面」による全数管理への転換を実現するもので、土木インフラの品質向上と建設現場の生産性向上に大きく寄与します。
※1 本技術は現在、特許出願中(出願番号:特願2026-53257)
【開発の経緯】
盛土工事は、運搬された土を敷きならし、振動ローラーなどの重機で「締固め(しめかため。土の中の空気を排出して土粒子を密に詰めること)」を行います。施工中は、施工仕様に基づく締固めの回数管理と、局所的な施工地盤の密度「締固め度※2」が得られているかを確認し、工事の品質を確保する手法が一般的です。また、このほかに、盛土の固さを示す「地盤剛性の測定値※3」も、締固め状態を把握する指標の一つとして活用されてきました。これまで、締固め度が高くなれば、地盤剛性も高くなることを仮定していましたが、近年の研究で土の含水状態「含水比」の影響も大きいことがわかってきました。
そこで当社は、締固め度と地盤剛性、含水比の関係性を一元的に把握し、盛土の品質を総合的に評価・管理する手法を開発しました(図-1)。加えて、センサーなどのICT技術を活用しデータをリアルタイムに把握することで、面での全数管理が可能となり、施工品質の向上と効率化を実現しました(図-2)。

【本技術の3つの特長】
1. ICT施工(i-Construction)への対応: 締固め機械に搭載したGNSS(全球測位衛星システム)アンテナによる位置情報を活用し、重機の動きから締固め回数を把握しデータとして一元管理。
2. 全面リアルタイム管理: GNSSと地盤剛性測定センサーにより、締固め回数データと地盤剛性データをリアルタイムに組み合わせ、施工面全体の品質を即座に可視化。
3. 独自の上下限値管理: 土質や含水状態に応じた剛性範囲(上下限)を設定し、最適な盛土施工の品質管理を実現。
本技術は、施工地盤の剛性測定による盛土施工面全面の品質向上に資する技術として、2025年度の道路土工の路体盛土における品質管理に一部適用されました(図-3)。
※2 締固め度:締固め直後に専用の器具や計器を用いて計測した施工地盤の密度と目標密度の割合(%)
※3 地盤剛性の測定値:振動ローラーに加速度センサーを取り付け、加速度応答を解析処理して得られる地盤の剛性指標
※4 GNSS:Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)。人工衛星を用いて地球上の現在位置を計測するシステムの総称
【今後の展望】
当社は2030年度を最終年度とする長期経営計画 "To zero, from zero." において、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、「防災・減災」をはじめとする社会課題の解決に取り組んでいます。今後は本技術を、今回適用した道路土工をはじめ、河川堤防、宅地造成などの盛土工事へと適用を拡大し、施工品質の確保と施工管理の高度化を通じて技術優位性の確立を目指してまいります。本技術の適用拡大により、盛土工事における品質の信頼性が高まり、防災・減災への貢献も期待されます。当社は今後も安全で信頼性の高い社会インフラ整備に貢献してまいります。