東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏)は、熟練技術者の高齢化、若手技術員不足、働き方改革など、建設業界の喫緊の課題に対し、長期経営計画の競争優位の源泉である人材とDXを柱に、革新的な取り組みを推進しています。その中で、人材強化の取り組みの中核を担うのが、2025年度に建築事業本部内に設置した総勢100名体制の支援育成センターです。本センターは、当社独自の「パラエンジニア」制度をはじめ、TCディレクター制度、若手技術員早期育成プログラム、といった複数の施策を展開しています。これらの連携により、若手建築技術員の技術力早期習得とエンゲージメント向上を図り、現場力強化を推進しています。
1.建設未経験者を即戦力化する当社独自の「パラエンジニア」制度
本センターの特徴的な取り組みは、2025年4月に商標登録したパラエンジニア制度です(商標登録第6923000号)。建築未経験者を本部で技術教育し、補助・作業所支援を担う当社独自の職種です。「パラ」は現場や業務の垣根を越えて作業所をサポートするという当社の強い思いを表現しています。
業務範囲を鉄筋工事などに絞り、少人数制 OJTで教育することで迅速なスキル習得を促しています。
パラエンジニアが実践を通じて経験を積み、新たに加わるメンバーの指導にあたることで、さらに多くのパラエンジニアを創出します。パラエンジニアが補助的な業務を担うことで、建築技術員は、専門性を要するコア業務に集中できる環境が整います。パラエンジニアの導入は、既に全国の作業所でスタンダードになりつつあり、作業所の業務軽減と質向上に大きく寄与しています。
また、パラエンジニアには、補助業務だけに留まらず明確なキャリアパスが構築されています。施工管理業務の一部を担いながらスキルを習得し、将来的にコア業務を担う建築技術員へと成長します。その後は、TCディレクターなど、多様な専門的役割へとステップアップすることも可能です。

TCディレクターは、全国の作業所と本部を繋ぐ複数の窓口を一本化し、ワンストップで支援の最適化を図るために設定された職位です。計画段階から竣工まで作業所の状況やニーズをきめ細やかに把握し、それに即した迅速な支援を提供します。具体的には、着工時に支援内容の調整・確定を行い、施工中は支援内容の見直しや相互連絡を担当します。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)、働き方に関する窓口や指導も行い、支援育成センター内で作業所の現況や状況を共有します。これらは、業務効率の向上、品質確保、残業時間の削減、建築技術員のエンゲージメント向上に貢献しています。
2.若手技術員早期育成プログラム
1~10年目の技術員を対象とした若手技術員早期育成プログラムは、実務重視型の少人数制育成です。所長経験者中心のベテラン技術員がサポーターとなり、訪問やリモートで若手技術員の業務フォローや相談に応じます。これにより若手技術員は現場の課題解決能力を早期に習得でき、施工力の確実な向上につながっています。また、新入社員鉄筋工事育成プログラムでは、パラエンジニアが未経験の新入社員に配筋写真の撮り方を教え、その過程で構造図の読み方も習得させています。新入社員からは「構造図を理解できるようになった」「現場の見え方が変わった」「実践で活かせている」と具体的な成長を実感する声が挙がっています。本プログラムは2024年度のトライアルで高評価を得ており、2025年度入社の新入社員全員に本格導入しています。今後、育成計画より早期に、技術力を習得する若手技術員の割合をさらに引き上げていきます。
3.全方位型支援による働き方改革と社会課題解決への貢献
支援育成センターが展開するパラエンジニア制度、TCディレクター制度、若手技術員早期育成プログラムを一体的に展開することにより、他社との差別化を図り、ワンストップでシームレスな全方位型支援を実現しています。
これらの多角的な施策は、ステークホルダーに以下のメリットをもたらします。
- 発注者様: 高品質施工・工程管理の信頼性向上
- 協力会社様: パラエンジニア制度やTCディレクター制度導入による協力会社様の業務負担軽減・業務効率向上
- 建築技術員: コア業務への集中、施工管理力の早期習得、残業時間削減等による働き方改革の推進
特に、パラエンジニア制度は、未経験者を戦力化する当社独自の画期的なモデルであり、人手不足・高齢化、働き方改革といった社会課題解決に寄与します。支援育成センターは、生産性向上を目指し、先進的なモデルを推進しています。本取り組みで得られた成功事例や知見を社内の他事業部門へ横展開することで、組織全体の強化と発展に貢献してまいります。