東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏。以下、「東急建設」)は、株式会社アキューゼ(本社:茨城県つくば市、CEO:川喜多仁。以下、「アキューゼ」)と国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下、NIMS※)の技術を応用して、これまで検知が困難だった目に見えない結露をリアルタイムで検知し、結露を原因としたカビや腐食などのトラブルを未然に防ぐ「結露検知システム」を共同で開発しました。
※NIMS:国内で唯一、物質・材料科学の研究に特化した国立研究開発法人。
【開発の背景】
現代の建築では、高断熱・高気密化が進む一方で、室内外の温湿度差の拡大により結露の発生リスクが増大しています。結露は、建物の構造体や内装材の劣化、電気設備の故障、居住者の健康被害など、さまざまな問題を引き起こします。そのため、結露の早期検知と適切な対策が非常に重要です。
従来の湿度計や結露検出器等を用いる方法では、結露の発生を早期に検知することが難しく、結露による被害が発生してから対策を講じることが一般的でした。そこで東急建設は、目に見えない微小な水滴(0.1~1μm)を直接検知できる新しいシステムをアキューゼと共同で開発しました。
【システムの構成】
結露検知システムは、モイスチャーセンサデバイス(以下、「センサデバイス」)、データ受信機、LTE送信ゲートウェイ、クラウドアプリの4つの主要なコンポーネントで構成されています。センサデバイスは乾電池で駆動し、対象面に接触させて任意の場所に設置できます。データ受信機はACアダプタから電源を供給され、事務室などのコンセントがある場所に設置します。センサデバイスとデータ受信機は無線で通信するため、新築の建物だけでなく既存の建物でも対応できます。データ受信機から収集された情報は、LTE送信ゲートウェイを通じてクラウドに送信されます。クラウドアプリを利用することで、検知対象建物から離れた場所でも結露検知システムにアクセスでき、リアルタイムで結露の状態を確認できます。クラウドアプリは結露の状態に応じ、『未結露』、『見えない結露』、『結露』の3段階で表示し、状況に応じた対策を促します。
【モイスチャーセンサの動作原理】
モイスチャーセンサの内部には、複数の微細な金属電極が並んでいます。この電極間に水滴が付着すると、電流が生じてセンサデバイスは結露を検知します。電極間の距離(電極ギャップ)を最小0.1μmまで狭めたことで、従来の結露検出器では感知できなかった微小な水滴も検知することが可能となりました。
【今後の展開】
「結露によるトラブルが顕在化してから対処する」のではなく、「目に見えない結露を検知し早期に対処する」ことを目的に、冷凍・冷蔵倉庫、食品工場、美術館、図書館、病院など、さまざまな用途の建物に結露検知システムの導入を進めてまいります。結露検知システムを活用することで、竣工後の性能検証だけでなく、建物の運用によって起こるトラブルを未然に防ぐことができます。
東急建設はこれからも建物の性能を維持する方法を探求し、お客様の満足度を向上させる取り組みを推進してまいります。