「切羽遠隔監視システム」の試験導入を開始

-山岳トンネル建設工事中の死傷災害の防止に期待 -

 東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏)と、マック株式会社(本社:千葉県市川市、社長:宮原宏史)および、株式会社レント(本社:静岡県静岡市、社長:岡田朗)は、デジタル技術を活用した切羽遠隔監視システムの試験導入を開始しました。

【開発の背景】
 山岳トンネル工事では、土砂や岩盤が崩れる「肌落ち」による死傷災害リスクがあるため、安衛則384条においてその防止措置が義務付けられています。その対策推進のためのガイドラインが、令和6326日に改正され、切羽監視時のデジタル技術の活用について明記されたことを受け、切羽遠隔監視システム車両の開発に着手しました。

【システムの概要】
 本システムでは、監視カメラや集音マイクを搭載した重機から、後方の監視車両に4K映像・音声専用無線が送られます。機器の設定・制御は、別途設けられた制御用無線(Wi-Fi)により行われ、制御信号の通信負荷による監視画像や音声の遅延、欠損が発生しない仕様となっています。

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 切羽監視責任者はこれまで、切羽近傍で目視により監視を行っていましたが、監視車両内から4Kモニター及びスピーカーを用い監視を行い、ジョイスティックによるパンチルトズームを使うことで、湧水箇所や切羽性状を従来よりも作業エリアから距離を置き、安全に確認できます。また画像の3方向同時監視や、非常釦による切羽エリアへのLED警報発報ができるのも特徴です。

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 今般、国土交通省近畿地方整備局発注の有田海南道路1号トンネル(和歌山県有田市~海南市)に試験導入を実施し、本システムに装備された4K画像伝送及びパンチルトズーム機能による湧水箇所や切羽性状の近接目視機能、複数個所の同時監視機能により「目視で監視する場合と同等以上の安全衛生水準」を達成できる可能性が示されました。これにより、監視位置が作業エリアから離れることによる切羽監視責任者自身の被災リスクの低減のみならず、切羽監視責任者の心身的負担も軽減され、担い手不足解消の一助となることが期待されます。

 当社は今後も、デジタル技術の活用を通じて、坑内作業全般の安全性の向上を推進してまいります。

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