東急建設とアイリッジ、まとめてQRスキャンが可能な 工具管理DX「工具ミッケⅡ」を提供開始
-使いやすい インターフェースにリニューアル 登録フローをより簡素化し、働き方改革をサポート-
東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:寺田 光宏、東京証券取引所プライム:1720、以下「東急建設」)と株式会社アイリッジ(本社:東京都港区、代表取締役社長:小田 健太郎、東京証券取引所グロース:3917、以下「アイリッジ」)は、両社が共同開発を行う工具管理DXサービス「工具ミッケ」の改良版となる「工具ミッケⅡ」を、2025年4月より提供開始したことをお知らせします。
「工具ミッケ」は、RFID(無線自動識別)タグとスマートフォンアプリを活用した工具管理DXサービスとして2022年10月に販売を開始しました。これまで東急建設をはじめ、建設会社や鉄道事業者などの現場で導入される中で出てきた利用者からの要望にお応えして、このたび、アプリインターフェースの改良と工具登録フローの簡素化を行うとともに、工具識別用タグとしてQRコード※1も使えるようにしました。SCANDIT社の技術を採用することで、QRコード利用の場合も複数工具をアプリでまとめて読み取れるようにし、さらに利用のハードルを下げました。今後も引き続き導入拡大を目指してまいります。
※1)QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です
※「工具ミッケ」は、東急建設株式会社と株式会社アイリッジの登録商標(登録第6653258号、登録第6671163号)です。
【工具管理DXサービス提供の背景】
建設現場の工具管理は、例えば鉄道工事では、資機材の置き忘れが重大なインシデントにつながるため、これまで多くの時間と手間をかけて確認していました。ITの発展に伴い、精度を担保しつつ工数削減したいという声が多く聞かれるようになりました。当時建設業では、時間外労働の上限規制が適用開始される「建設業の2024年問題」への対策が急がれていた中、工具管理のDXを通じて業務効率化を支援する目的で始まったのが「工具ミッケ」です。
国土交通省は、生産年齢人口の減少と高齢化、災害の頻発化、インフラの老朽化という大きな課題を前に、2024年4月、更なる生産性向上を目指した「i-Construction2.0」を発表しました。「i-Construction2.0」とは、デジタル技術の活用により建設現場の生産プロセスのオートメーション化を目指す取り組みです。公共系工事の入札ではDX活用が技術点の加算対象となることもあり、「工具ミッケ」は人手不足に伴うDX推進需要そのものに加え、入札時の優位性という点でも支持を広げてきました。新しくなった「工具ミッケⅡ」は、全産業と比べ高齢化が著しい建設業でも活用しやすいDXサービスとして、シームレスなデータ連携やペーパーレスを進め、さらなる生産性の向上を支援します。
【「工具ミッケⅡ」概要】
「工具ミッケⅡ」は、工事現場で使う工具の照合作業を自動化し、管理業務の縮減と生産性向上を実現します。RFIDとQRコードのセットプランと、QRコードのみ利用のプランが選べ、RFIDについては、利用にあたって必要となる、電波法に基づく総務省への各種申請手続き代行もサービス内に含まれています。陸上移動局免許のため、特定されない作業場所や、移動車両による設備点検での使用を想定した機動性の高い設計となっています。消費者向けアプリ開発で培ってきたノウハウに基づく使いやすいUI(ユーザーインターフェース)が特長で、現場職員一人ひとりが各自のスマートフォンアプリから情報更新や確認を行えるため、現場へのノートPCの持ち込みも不要です。
例えば、鉄道工事で使用する工具はドリルや脚立など数百種類にのぼりますが、現場への工具置き忘れを防止するため、これまでは持ち出す工具を、まずヤード(資材置き場)で紙に書き出し、現場に移動後作業開始前に1回、作業終了後に1回、ヤードに戻って1回の計3回、一つずつ目視確認をしながら慎重に照合するという作業が毎回行われていました。「工具ミッケⅡ」では、ひとまとめにした工具類の上にRFIDスキャナまたは「工具ミッケⅡ」アプリをかざすだけでアプリ上のリストと照合でき、そのまま照合~作業報告完了まで可能です。RFID利用の場合、離れたところにある工具を探知できる「工具サーチ機能」も利用できます。ターミナル駅の工事現場など、大規模な現場ほど工数削減の効果が期待できます。
<サービス内容に含まれるもの>
工具管理アプリ / RFIDスキャナ / RFIDサンプルタグ・QRコード / 陸上移動局申請書類 / 総務省への申請代
<主な機能>
・工具持ち込みリスト作成
工事現場に持ち込む工具のリストを作成します。
・工具数量チェック
ヤードからの工具持ち出し時や、工事開始前・工事終了後に、使用した工具をスキャン機能にて読み込み。数秒で持ち込みリストとの差分を明らかにします。また工具にサムネイル画像を登録することで、不足している工具が一目で分かるようにする工夫をしています。
・作業完了報告
工具数量チェックで全ての工具が揃った時のみ、作業完了報告ができる画面に遷移。予め指定した工事監督者のメールアドレスと作業完了報告内容が入力された状態でメール画面が立ち上がり、送信ボタンをタップするだけで、ペーパーレスで作業完了報告ができます。
【関連リリース】
東急建設とアイリッジ、RFIDとスマホを活用した 建設DX「工具ミッケ」を共同開発 10月から販売開始(2022年09月21日)