運用開始後のグリーンインフラ施設における雨水流出抑制効果を確認

- 国土交通省「グリーンインフラ創出促進事業」の実証成果を報告 -

 東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏、以下当社)は、2023年度国土交通省「グリーンインフラ創出促進事業」に採択された「大型商業施設における雨庭・バイオスウェルの雨水流出抑制効果のモニタリング」の実証を完了し、その成果を国土交通省に報告・受理されたことをお知らせいたします。

 「グリーンインフラ創出促進事業」は、民間企業等の新しいグリーンインフラ技術やサービスの実用化に向けた研究開発を支援する公募事業です。自然環境が有する多様な機能を利用したグリーンインフラ技術によって、CO2吸収量の確保や生態系の保全、雨水貯留・浸透等による防災・減災への寄与、健康でゆとりある生活空間の形成を目指しています。
 2023年度に採択された当社の取り組みでは、運用中の大型商業施設に設置した雨庭およびバイオスウェルの雨水流出抑制効果を定量的に評価し、その実施性能である浸透量の確認を進めてきました。取り組みの成果として、雨庭およびバイオスウェルが雨水流出抑制に寄与していることが確認できました。また公益社団法人雨水貯留浸透技術協会の技術指針の手法によって、雨庭における浸透量の設計計算が可能であることが示唆されました。これまで、運用開始後に性能を評価した事例はほとんどないため、本取り組みの成果は、今後グリーンインフラの社会実装を促進するための有用なデータとなりました。

 当社は2030年を到達年度とする長期経営計画において、3つの提供価値「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を戦略の軸にしており、グリーンインフラはいずれの提供価値にも寄与する技術です。このたびの実証成果を今後、多様な用途・規模の既存施設におけるグリーンインフラ導入に活用し、グリーンインフラの社会実装推進に貢献してまいります。そして、2024年度「グリーンインフラ創出促進事業」に採択された「里地里山遊閑地の湿地化による雨水貯留機能と生物多様性に関する評価」を通じて、引き続きグリーンインフラの多機能性を実証し、社会実装に向けた研究開発と、設計・施工・維持管理手法の確立に努めてまいります。

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(参考)
■当社の取り組みと成果
2023年度採択事業「大型商業施設における雨庭・バイオスウェルの雨水流出抑制効果のモニタリング」
実施場所:大型商業施設グランベリーパーク内(東京都町田市)
事業期間:20234月〜20243
主な成果:
1.雨水流出抑制効果の実施性能のモニタリング
商業施設にて運用中の雨庭及びバイオスウェルが雨水を浸透し、雨水流出抑制に寄与していることを確認しました。
2.浸透量の設計計算手法の検証
雨庭において、公益社団法人雨水貯留浸透技術協会の技術指針の手法によって浸透量を設計計算可能であることが示唆されました。
3.既存施設へのグリーンインフラの導入可能性の検討
既存施設である雨水貯留槽等と連携することで、限られた敷地においても効果的な雨水流出抑制及び雨水の再利用が可能であることが示唆されました。

■今後の展望
・2024年度採択事業「里地里山遊閑地の湿地化による雨水貯留機能と生物多様性に関する評価」を通じて、グリーンインフラの多機能性を実証
・南町田グランベリーパークにおける計測・実証データの蓄積による設計・施工技術の開発
・多様な用途・規模の施設におけるグリーンインフラの導入方法の検討

【関連サイト】
国土交通省「グリーンインフラ創出促進事業」 の開発支援成果(2024年6月20日リリース
国土交通省「グリーンインフラ創出促進事業」公募の選定結果について
2024
年度選定結果(2024年3月8日リリース
2023
年度選定結果(2023年3月10日リリース

【関連リリース】
国土交通省公募「グリーンインフラ創出促進事業」に2年連続で採択(2024年4月17日リリース)
東急建設のグリーンインフラを紹介するWEBページ『トコミドリ』公開(2023年12月1日リリース)

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