東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏、以下「当社」)は、株式会社UNAIIT(本社:愛知県名古屋市、代表者:田島哲、以下「UNAIIT」)の労働災害事例検索システム「K-SAFE」を当社用にカスタマイズし導入しました(以下「K-SAFE(東急建設カスタマイズ版)」)。また、ChatGPTと連携した同社の「災害事例ChatGPT powered by GPT-3.5(以下「災害事例GPT」)」も導入し、2023年12月22日から国内工事での利用を開始しました。これらのシステムは、検索性が高く、文章だけでは伝わりづらい情報も視覚化されることから、現場技術員が"気づき"を得ることができ、災害を未然に防ぐ助けとなります。過去に起こした事故を二度と起こさないためにも、今後もシステムの活用を推進し、災害の未然防止を図り、安全安心な職場環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
【導入の背景】
従来、過去の災害事例に対する注意喚起として、社内ポータルサイトへの事例掲載や従業員へのメール配信を定期的に行ってきました。しかしながら、代表的な重大災害の事例が中心のため、その事例に該当しない作業所においては、必ずしも欲しい情報ではない場合がありました。また、従来公開していた災害事例データベースは、検索性が低く、イメージ図が表示されないため、欲しい情報を探すのに時間がかかるという問題点がありました。
【K-SAFE(東急建設カスタマイズ版)」】
K-SAFEは、厚生労働省、一般社団法人日本建設業連合会(以下「日建連」)のデータから、ユーザーが入力した作業内容と類似する災害事例を検索するシステムです。従業員だけでなく協力会社も使用することができ、現場全体の安全性向上に寄与します。
K-SAFE(東急建設カスタマイズ版)は、既存データに加えて当社の災害事例を搭載しました。さらに、災害事例だけでなく当社独自の通達やリマインドのデータも検索できるように、機能を追加しました。
また、イメージ図を表示するカスタマイズを行い、文章だけでは伝わりづらい情報も視覚化することにより、現場技術員が容易に理解でき、"気づき"を得られる仕組みにしました。
【災害事例GPT】
災害事例GPTは、類似する災害事例を表示するだけでなく、入力した作業内容に関する注意点や対策を回答することで、ユーザーが "気づき"を得るシステムです。特に、経験の浅い現場技術員は、より良い "気づき"を得ることができ、災害を未然に防ぐ助けとなります。なお、生成された回答内容は、事実に基づかないもっともらしい嘘の生成を回避するために、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」のデータに基づいて回答しています。
今後は当社や日建連の災害事例データ、建設業に関わる法令(労働安全衛生法、労働安全衛生規則など)にも基づいた回答が得られる仕組みにしていきます。
【今後の取り組み】
K-SAFE(東急建設カスタマイズ版)及び災害事例GPTは、当社が建設業の立場で機能的な追加改善要望を行い、UNAIITが開発を行っています。将来的には、安全や工事管理に関する既存システムとの連携を行い、より効果的なシステム構築の実現を目指します。
当社はデジタル技術により安全機能を向上させ、危険の見落としを減らすことによって災害の未然防止に貢献し、安全安心な職場環境づくりに積極的に取り組んでまいります。