AR関連デバイスを製造・販売するCellid株式会社へ出資
東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏、以下当社)は、「TOKYU-CNST GB Innovation Fund L.P.」(運営者:グローバル・ブレイン株式会社)を通じて、AR※1関連技術を製造・販売するCellid株式会社(本社:東京都港区、社長:白神賢)に出資しました。
【Cellid株式会社について】
Cellidは、ARグラス向けに世界最大級の広視野角を持つシースルー・ディスプレイと超小型プロジェクターを組み合わせたディスプレイモジュールと、高精度の空間解析ソフトウェア(ビジュアルSLAM※2)を同時に提供するベンチャー企業です。
大手調査会社の予測によれば、ARグラスの市場は、2027年に5千万台/547億ドルに成長することが見込まれています。ゲームやエンタメ分野を中心に早期に浸透したVR※3と異なり、ARは初期のエコシステム形成に時間をかけた後、急激に成長しスマートフォン等のように日常生活に深く浸透することが期待されています。
Cellidの強みは、軽くて高性能なARグラスを実現する高度なハードウェア技術だけではなく、ARグラスのアプリケーションとして欠かせないビジュアルSLAMソフトウェアを自社開発し、自らARソリューションを提供できることです。これらの強みを活かし、ハードウェア・ソフトウェア両面でのAR市場成長を自ら推進することを目指しています。
【出資の背景および今後の展開】
当社では、2030年までの長期経営計画において「デジタル技術」を競争優位の源泉に掲げ、建設事業のデジタルシフトと新たなビジネスモデルの構築に取り組んでいます。今回の出資を機に、BIM/CIMを始めとするデジタル技術とビジュアルSLAMを掛け合わせることによる建設事業のDXを推進するとともに、DXソリューションを共同開発、販売することを見据えてCellidとの連携を深めていきます。本年度内には、ビジュアルSLAMを活用したDXソリューションのPoC(概念実証)を当社建設現場でスタートすることを検討しています。
今後も当社は、国内外の有望なベンチャー企業への出資を通じ、建設業の枠を超えた新たな活動に取り組んでまいります。
※1 AR(Augmented Reality/拡張現実)
現実世界に仮想世界を重ね合わせて表示する技術。現実の風景の中にCGでつくられた3D映像やキャラクター等のデジタルコンテンツやデータを重ねて表示することで現実世界を"拡張"する。
※2 ビジュアルSLAM(Visual Simultaneous Localization and Mapping)
カメラで撮影した映像から自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術。自動車の自動運転、自律走行型ロボットや、ARグラスといった視野制御を伴うモバイルデバイス等に活用される。
※3 VR(Virtual Reality/仮想現実)
現物・実物ではないが機能としての本質は同じであるようなバーチャル環境を作り出す技術。