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コスト競争力のある複合化工法の提案
大梁PCa(プレキャスト)手前アンカー工法
2000.03.16

東急建設鰍ヘ、東京都田無市で施工中の共同住宅建設工事(RPC造 地上14階建)において、高い構造性能と良好な作業性を実現する「大梁PCa手前アンカー」(特許出願中)工法をはじめ、複数のPCa工法と在来工法を最適に組合わせた複合化工法により工事を行っている。

集合住宅工事における複合化工法の採用は、建物の高品質化、工期の短縮、型枠資材と産業廃棄物の削減など、時代が提起する様々な課題に応える有力な工法である。



【適用の背景】

近年、社会構造の大きな変化を背景に、建設業界では従来にも増して高品質・短工期・低コストによる施工が求められている。しかしその一方で、地球環境への影響や顕在化しつつある熟練工不足への対応など、今後解決して行かなければならない多くの課題も抱えている。その解決手段の一つとして挙げられるのが、工場生産された部材を組み立てるPCa工法である。

そこで本工事では、現場打ちコンクリートによる在来工法の適所にPCa工法や「高遮音性内部鉄骨階段(*別紙資料)」(特許出願中)等を取り入れて、理想的な複合化工法を実践することにした。当社では、品質向上とローコスト化を実現するため、これまでも様々な要素技術を開発してきたが、今回その一つとして「大梁PCa手前アンカー」を採用した。



【概要】

大梁PCa手前アンカー(工法)は、大梁のPCa化をより効率的に実現するため、柱幅の中心を超えずに継手なしで梁下端筋を定着*できる技術である。

従来は、柱幅のある壁式構造以外で大梁をPCa化した場合、梁と柱の接合部内で十分な定着長を得るのは困難であり、柱内部で継手を用いたり、柱間で分割された梁PCa部材の下端筋を継ぐことが多く、これらの作業に手間と時間を費やしていた。

この問題を解決するため、大梁PCa手前アンカーは、柱内の新たな補強筋と独自の構造解析技術により、定着筋を柱の中央部より手前で上向きに折り曲げて定着させることで定着長を短かくすることを可能にしたもので、当社の技術研究所で構造性能確認実験を行い実施工の運びとなった。

また作業所では、このPCa部材を通常の型枠大工でも取付できるように施工法を計画し、良好な作業性を実現した。


(*定着:鉄筋等が引き抜けないように必要な長さをコンクリートに埋め込んで固定すること)

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工法概念図


【特長】

1.梁下端の定着筋が柱の中央部より手前で上向きに折り曲げ定着しているため、梁下端筋の接合がなくなる。
2.施工手順が簡略化されるため、作業性が良くなり取付精度の向上が期待できる。
3.柱・梁接合部で定着が行われるため、柱間など他の場所での鉄筋接合の必要がなく、型枠の駄目*が発生しない。

駄目:ある工事がほとんど完了した段階で他の作業のために残された未仕上げ部分)

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大梁PCa手前アンカー
大梁PCa施工状況


【実績】

所在地
用 途
規模
延床面積
備考
大阪府枚方市
集合住宅
地上14階
12,646u
施工中
神奈川県横浜市
集合住宅
地上12階
9,417u
施工中
東京都田無市
集合住宅
地上14階
12,434u
施工中
東京都立川市
集合住宅
地上7階
7,893u(暫定)
実施計画
神奈川県川崎市
集合住宅
地上13階
8,424u(暫定)
実施計画


【今後の展開】

都市基盤整備公団の性能発注である本物件は、当社が品質とコストを極限まで追求し、設計・技術・施工が三位一体となって最良の設計・施工方法を提案した結果、受注に至ったものである。

当社は、集合住宅の受注における優位性を確保するため、今後も個々の物件に見合った最適な複合化工法を提案し、市場のニーズに応えていきたい。



【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画室広報担当 下原
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp

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