obi  

title
「鋼製地中連続壁工法」
バンコク地下鉄「SILOM駅」で初採用
1999.04.05

当社JVがタイ国バンコクで施工中の地下鉄建設工事において、新日本製鐵株式會社が販売している鋼製地中連続壁部材(NS-BOX(GH))を使った工法が、大規模(部材使用量約7,500t)に採用されました。
これまで日本国内では30件以上の実績がありますが、海外での工事はなく、海外プロジェクトとしては初めての採用となったものです。
本工事の建設主体はタイ首相府のMRTA(タイ首都圏高速鉄道公社)で、BCKT:Bilfinger Berger(Germany)・Ch. Karnchang(Thailand)・熊谷組・東急建設の共同企業体による設計施工形式で進められています。


【本工事における鋼製地中連続壁工法の特色】

①地下鉄駅舎本体壁利用
本工事は土留め壁寸法 156.4m×30.4m、連壁深度 45.7m、連壁面積 16,854㎡の地下駅構築工事であり、駅舎部の本体地下壁として鋼製地中連続壁工法が初めて採用された。
②現場省スペース施工
本駅舎はラマ4世通り道路の地下に計画されているが、バンコク市内中心部で交通渋滞が最も激しい場所で、施工に使用できるヤードが極めて小さい。また、上空には高架道路があるため高さの制限もあり、施工面では東京都心と同様に非常に厳しい条件である。このような中で、本工法の特長であるプレファブ工法による施工現場省スペース化のメリットのある本工法が採用された。
③連壁の薄壁化
本駅舎の地下壁設計に際し、一般に使用されている鉄筋コンクリート連壁で設計すると、上部の高架道路を駅の屋根で支える必要もあり 1.8mを超える壁厚が必要となるが、タイ国内では壁厚が 1.5mを超える掘削機が汎用的ではない。掘削機械は輸入も可能であるが、価格・工程(輸入)の面で大きな問題がある。また、地下埋設物エリアの確保が必要なため連壁の薄壁化が要求された。このようなことから総合的に判断して、壁厚が 1.2mで施工できる本工法が採用された。


【鋼製地中連続壁工法の一般的特長】

①薄壁化
高い断面性能を有することから、土留め壁を薄壁化することができる。(コンクリート連壁と比較して1/2〜2/3の壁厚とすることが可能)
②省スペース・省力化
工場製作のプレファブ工法のため、現場の省スペース化、省力化、工期短縮が図れる。(現場の鉄筋加工ヤードが不要)
③本体利用
壁体の信頼性が高く、土留め壁の本体利用が可能。
④経済性向上・工期短縮
省スペース・省力化施工ができるため、狭いヤードでも掘削と建込みの並行作業が可能である。また、NS−BOXは高い断面性能を有するため、切梁支保工段数を減らすことが可能で内部掘削を効率的に施工できる。

01_01 01_02 01_03
SILOM駅鋼製連壁工事全景
鋼製連壁部材NS-BOX
現場継手接合状況
鋼製連壁部材NS-BOX
建込状況


【参考】

1.工事概要
本工事は、世界最悪と言われるバンコク市内の交通渋滞緩和対策として、タイ国内初の地下鉄を建設するものである。
この地下鉄はバンコク中心部に建設され、完成後は民間企業が管理・運営することになっている。プロジェクトの計画はかなり古くからあり、これまでに幾度も立ち消えになった経緯があるが、日本政府が地下鉄プロジェクトに円借款の供与を開始したため実現の運びとなったもの。1996年12月に着工し、2002年開通を目指して現在急ピッチで建設が進められている。
本工事は延長約21kmにも及ぶ地下鉄工事の一工区で、9カ所の開削(地中連続壁)駅と単線双設 7.5kmのシールドトンネルとが主要工事となるが、その他に橋梁架替えが2カ所、中間立坑が3カ所という超大型プロジェクトである。路線はタイ国鉄の起点である Hua Lamphong駅からもう一工区との境界となる Rama IX駅までの本線と、そこから操車場までの枝線となっている。
Si Lom駅はすべての駅の中で最も渋滞がひどく掘削深さも最大で、しかも既存高架道路をアンダーピニングするというように、技術的にも近隣への影響からも極めて難しい工事となる駅である。

2.工事数量
 2.1 施工壁延長:374m (土留め壁平面寸法:156.4m×30.4m)
 2.2 設計連壁深度:45.7m
 2.3 掘削溝幅:1.2m
 2.4 連壁面積:16,854㎡
 2.5 鋼製連壁部材:GH900mm  L=5.0m〜16.0m
 2.6 鋼材重量(NS-BOX):7,500t
 2.7 充填コンクリート:高流動コンクリート20,225m3

3.施工方法
鋼製連壁の施工は基本的にはRC連壁と同様であり、鉄筋かごの代わりに鋼製連壁部材(NS-BOX)を建て込み、充填コンクリートを打設して壁体を構築する工法である。
掘削機械はバケット式掘削機1台を使用し、平成10年9月下旬から施工が開始され、平成11年4月末頃迄に連壁工事を完了する予定。特に日本国内での施工とは異なり、エレメント間の継ぎ手を剛結ではなく止水板入りのせん断継ぎ手とした。この方法は、既に世界標準として海外ではRC連壁に一般に用いられているものである。また、従来は先行エレメントと後行エレメントの順番でしか施工できなかったのに対して片押しエレメントも可能で、しかもエレメント端部の鋼製連壁部材(GH-R、GH-H)も自由に選択できるようになった。この結果エレメント割付の自由度が増し、施工順序の変化に柔軟に対応できるようになった。これにより、施工を簡略化するとともに施工速度が格段に早くなり、一週間で4〜6エレメントを建設している。



【鋼製地中連続壁協会】

1.設立年月日:平成4年11月5日
2.会員各社:㈱大林組,㈱大本組,㈱奥村組,鹿島建設㈱,㈱熊谷組,㈱鴻池組,五洋建設㈱,佐藤工業㈱,清水建設㈱,新日本製鐵㈱,住友建設㈱,西武建設㈱,㈱銭高組,大成建設㈱,大都工業㈱,大日本土木㈱,大豊建設㈱,㈱竹中土木,㈱地崎工業,鉄建建設㈱,東亜建設工業㈱,東急建設㈱,東洋建設㈱,戸田建設㈱,飛島建設㈱,西松建設㈱,日産建設㈱,日本国土開発㈱,㈱ハザマ,㈱フジタ,不動建設㈱,前田建設工業㈱,三井建設㈱,村本建設㈱ (以上34社,平成11年1月現在)
3.事 務 局:東京都千代田区大手町2−6−3 新日本製鐵㈱建材開発技術部内
TEL 03-3275-7748 FAX 03-3242-8610


【本件に関する問い合わせ先】

 
東急建設株式会社
経営企画部広報担当 下原
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp

  obi