2026.07.03
トロ舟で作る水辺ビオトープの作り方―ヤゴを呼ぶグリーンインフラ実践レポート!
目次
こんにちは。今回は環境技術部からの発信です!
環境技術部では、東京都公園協会(以下「公園協会」)との共催で都立青山公園にて生き物観察会を毎年実施しています。
昨年トンボ(ヤゴ)を呼ぶことに成功した水辺ビオトープ製作(昨年度の記事はこちら!)。
今年はさらなるパワーアップを目指し、トロ舟を使った水辺ビオトープ製作に再び挑戦しました!

生き物観察会って?
生き物観察会は当社と東京都公園協会との共催で毎年実施しており、今回で14年目の実施となります。
今回は港区子どもふれあいルームで参加者を募り、生き物観察会を実施しました。
イベントの目的は、子どもたちが都心の貴重な緑や生き物の営みを自ら発見し、自然の大切さや生物多様性と環境保全への興味を育むこととしています。
実施プログラムは、クイズや園内での生き物観察、そして今回製作した水辺ビオトープの観察を通して、五感で感じる体験を子どもたちに楽しんでいただきました。
また、自然の大切さを伝えるこの活動は2024年度には12年連続開催していることが評価され、東京都公園協会より第59回東京都公園協会賞 〈ボランティア・社会貢献活動部門〉奨励賞を受賞しました!
水辺ビオトープをパワーアップ!
昨年ヤゴを呼ぶことに成功した水辺ビオトープづくり。
今年は、ただ生き物を呼び込むだけでなく、小規模ではありますが都市の課題解決にも貢献する「グリーンインフラ機能」を持つ水辺ビオトープの作製に挑みました。
また、今回は大きさも前回の2倍以上! 大小合わせて4個のトロ舟で水辺ビオトープを作製し、昨年度より拡張します。
開放水面を広くしてより多くのトンボ(ヤゴ)やチョウなど様々な生物を呼び込む作戦です。
「グリーンインフラ」って、なんだろう?
グリーンインフラとは、自然環境が持つ多様な機能を、都市の雨水対策や暑熱緩和、生物多様性の保全といった社会課題の解決に活用しようという考え方です。
当社のグリーンインフラ技術 「トコミドリ」では、様々な技術や取り組みを紹介しています。こちらもぜひご覧ください!<グリーンインフラサイト「トコミドリ」はこちら!>
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環境技術部員たちが中心となり頑張って作成したサイトです。皆さんに見ていただけると喜びます。
近年の降雨状況と防災意識の高まり
近年、「ゲリラ豪雨」と呼ばれる、特定の狭いエリアに短時間で急激な雨が降る「局所的な大雨」が増えています
そこで、雨水を活用した「受け止めて、ためて、浸み込ませる」水辺ビオトープを作製し、 子どもたちや地域の方々の雨水流出抑制や雨水浸透、防災の意識を高めることを目指しました。
どうやって「受け止めて、ためて、浸み込ませる」?
トロ舟単体では、ある程度の雨量をためることができますが、容量を超えるとあふれ出してしまいます。
そこで、「砕石を使って地中に浸み込ませる」方法を今回のビオトープでは採用しました。この方法はバイオスウェルを参考にしました。バイオスウェルについての取組は東急建設のグリーンインフラサイト「トコミドリ」でも紹介しています。
トロ舟にわずかな傾斜をつけ、一定の量になると砕石へ浸み込むような構造にすることで、降った雨は砕石の隙間に一時的に貯留され、ゆっくりと時間をかけて地中に浸透します。
そうすることで、トロ舟に入った雨水を有効活用しながら、余剰な水は地中に浸透する仕組みになっています。
全て市販の材料を使って、手軽に挑戦!
計画が決まれば、次は材料調達です。
今回の水辺ビオトープ製作では、材料はすべてホームセンターやネット通販で手軽に購入できるもので揃えました!
【材料】
【使う道具】
いざ、水辺ビオトープづくり実践!
材料もそろい、製作へ。
設置位置を決め、トロ舟を埋め込み、砕石を敷き詰められる深さまで地面を掘ります。
今回は、砕石深さは10cmにしました。 トロ舟を地面に埋め込むことで、日光が当たる面積が少なくなり夏場の水温上昇抑制につながります。

砕石への浸透を考慮しながら、わずかな傾斜をつけて埋め込みます。

トロ舟の真ん中に土留め木枠を入れます。 この土留め木枠は、土の流出を防ぐための大事な仕切りになります。
降った雨を浸透させるため、下流側(水が自然に流れ込む側)に砕石を敷き詰めます。

今回は砂利⇒赤玉土⇒荒木田土の順に入れました。 エコトーンを創出するため、土留め木枠で仕切られたエコトーン部分に赤玉土と荒木田土を順に入れます。なだらかな山型になるように入れていきます。
ここで登場する「エコトーン」とは陸地と水辺が接する移行帯のことです。多様な生き物が行き交う、ビオトープの中でも特に重要な場所です。
いよいよ植物の植え付けです!今回は設置や観察時期などを考慮し、ミソハギを植えます。
根を傷つけないように優しく植えるのがポイントです。
トロ舟の縁が隠れるように、土で覆いかぶせます。 こうすることで、より自然な見た目になり、ビオトープが周囲の景観に馴染みます。

ゆっくりと水を注ぎ入れ、水辺ビオトープの完成です!
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生き物観察会当日までの日々の管理
完成後も生き物観察会当日まで日々の管理は欠かせません。
開催当日まで日々の管理は公園協会の皆さんに行っていただき、日々情報交換や管理方法の検討を行いました。
夏場は水の蒸発量も多く、いつもよりも水管理が必要となりました。
そして、生き物観察会当日!
ついに迎えた生き物観察会当日。
トンボ(ヤゴ)の発見や子どもたちの反応にドキドキです。
子どもたちは泥に恐れずに果敢に観察していきます・・。

よく観察すると・・・。
小さくて見えにくいですが、ヤゴを発見しました!
ヤゴの発見を目の前に子どもたちはもちろん、大人のスタッフたちも大喜びです。

今回水辺ビオトープの周りにはトンボやチョウなど、ヤゴ以外も見つけることができました。
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水辺ビオトープパワーアップ大作戦 成功!
去年より拡張し、グリーンインフラ機能を有した水辺ビオトープを作製しましたが、トンボやチョウなどの生物を呼ぶことに成功しました!
スタッフにとっても発見の多いプロジェクトでした。これからもこの小さな水辺の変化を、ぜひ一緒に見守ってください!
後日談
ビオトープ製作の現場では、道具の呼び方ひとつでも新たな発見がありました。
実は、一般的に東日本では大型を「スコップ」・小型を「シャベル」、西日本では大型を「シャベル」・小型を「スコップ」と呼ぶ傾向があるといわれています。
今回の実施場所が東京都内ということから、本記事では東日本の呼び方に合わせて、大型を「スコップ」・小型を「シャベル」に統一しました!

環境技術部 環境保全グループ 三浦紗瑛
次回!
生き物観察会初めての試みである、
生産地が確かな緑化樹木「チイキツリー」の植樹レポートをお届けします!








