2025.11.14
ロボットフレンドリー環境が提供する、建物の新しい価値
目次
東急建設は東京都市大学と共同で、「建物のロボットフレンドリー環境」を実現するための研究開発に取り組んでいます。建物のロボットフレンドリー環境とは、ロボットが不自由なくのびのびと動作できるような建物の環境を指しています。
この記事ではロボットフレンドリー環境が生み出す価値と、その実現のために当社らが行ってきた技術的な取り組みを紹介します。
[関連URL]
東急建設と東京都市大学が 「人協調型ロボティクスの社会実装技術開発」を開始
https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2747.html
建物施工中のロボットフレンドリー環境
建物施工中の建設現場では長らく、建設作業を支援するロボットの活用が期待されてきましたが、ロボットの導入が思うように進んでいない状況にあります。背景として、様々な建設作業ロボットが開発される一方で、建設現場自体がロボットの動作しやすい環境ではなく、活用の機会が限られてしまう側面がありました。
これに対して東急建設は、建設現場に向けたロボットフレンドリー環境を設計・実装する社会実装技術を開発します。建設現場をロボットの動作しやすい環境にすることで、建設作業ロボットの持つ本来の性能を引き出し、建設現場に有用なレベルで活用できるようにすることを促します。
建物竣工後のロボットフレンドリー環境
建物の竣工後においては、スマートビルという形で、ロボットフレンドリー環境を実装します。建物をスマートビル化することで、ロボットが建物の設計情報や建築設備と自在に連携することが可能になります。これによりロボットによる屋内の自動巡視、建築設備の制御といった、ロボットと人や建物が連携する新たなサービスを展開できるようになるのです。
東急建設はロボットフレンドリー環境を活用したサービスの企画立案を行うとともに、企画したサービスをスマートビルのアプリケーションとして実装することで、竣工後の建物とその利用者に新しい価値を提供します。
施工中から竣工後まで続くロボットフレンドリー環境
ロボットが建物のライフサイクルの中で途切れることなく活躍できるように、施工中に構築されたロボットフレンドリー環境を絶えず維持しながら、建物をスマートビル化する実装技術の開発にも取り組みます。
私たちは ①ロボットとエレベーターが連携する機能 ②ロボットが利用できるIoTネットワークの整備 の2点が上述の実装技術の実現に必須の要素であると考えています。
東急建設は①②をロボットフレンドリー環境の基本機能として建設現場に実装しながらも、施工中・竣工後の両方に向けた改良と機能の追加を継続しています。

建物をデジタルプラットフォームにする「建物OS」
ロボットフレンドリー環境を活用したサービスは、建物の利用者に幅広く利用してもらえるように、スマートビルのアプリケーションという形で提供されます。これらのアプリケーションは内部的には、スマートフォンのOS上でアプリが動作することと同じように、スマートビルに組み込まれた「建物OS」を介して実行されます。
東急建設はスマートビルの研究開発を進める中で、2023年に当社独自の建物OSを開発しました。今後はロボットサービスを企画立案し、当社の建物OS上で動作するアプリケーションとして利用者に提供することを目指しています。
[関連URL]
建物デジタルプラットフォーム「Building OS」を 大阪大学と共同開発し、技術研究所で実証
https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2403.html
BIMをデータベースとしたロボットフレンドリー環境設計とアプリ開発
これまで紹介した取り組みと切っても切れない関係にあるのがBIM(Building Information Modeling)です。BIMモデルには建物の設計情報が集約されており、私たちは建物に関するデータベースとして、一貫してBIMモデルを使用します。ロボットフレンドリー環境の設計から建物のスマートビル化まで、一連の取り組みはBIMモデルを元に実施されているのです。
東急建設はBIMに関する研究開発を継続して実施しており、2023年には大阪大学と共同で、BIMモデルを利用して熱流体解析を行う手法を開発しました。今後は本手法を発展させて、部屋の温熱環境を先読みして空調を制御することや、Wi-Fi電波の届きやすい場所を建物利用者へ提示するなど、これまでにない機能を持ったスマートビルのアプリケーションを実現することを目指しています。


[関連URL]
BIMモデルと熱流体解析シミュレーターの連携手法を共同開発 - 建物OSの早期社会実装に向けて -
https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2460.html
おわりに
この記事では、東急建設が東京都市大学と共同で取り組んでいる、「建物のロボットフレンドリー環境」を実現するための研究開発について紹介しました。ロボットが不自由なく動作できる建物の実現に向けて、これからも取り組みを進めてまいります。
この記事には、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の下で推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」(研究推進法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、体系的番号:JPJ012494)の成果が含まれています。
