品質管理基盤の強化

品質管理基盤の強化

基本的な考え方

社会インフラを担う建設業において、品質は企業の信頼と価値創造の根幹です。当社は、品質マネジメントシステム(QMS)を全社で徹底運用し、継続的な改善を通じて、お客様からのゆるぎない信頼と持続的な成長を実現します。

品質方針

当社は、提供する製品(土木構造物・建築物)の品質を保証し、顧客満足の向上をめざすため、その設計、工事監理及び施工に当たり、以下を実施します。

1.リスク及び機会への取組み

製品の品質の保証及び顧客満足の向上に影響を与え得るリスク及び機会を見出し、その潜在的な影響の度合いを考慮し、対応します。

2.ニーズ・期待の理解

顧客のニーズ・期待、及び適用される規制要求事項を満たすために、これらを探究し、明確にし、理解します。

3.品質目標の設定

当社の経営方針を支援し、製品の品質の保証及び顧客満足の向上のために効果的な品質目標を次の部門ごとに設定します。
・土木事業部門
・建築事業部門
管理支援部門は、上記の部門の目標達成を支援するための資源(人・情報通信技術等のインフラ・従業員の執務環境・ノウハウ等)の効果的運用に関する目標を設定します。

4.システムの運用・改善

品質マネジメントシステムを確立して運用し、継続的に改善します。

改定日2026年4月1日

品質マネジメントシステム(QMS)と運用状況

当社では、2000年10月までに本部ならびに全国の支店(国際事業部を含む)で国際規格ISO9001認証を取得しました。2004年9月からは全社統合の品質マネジメントシステム(QMS)で登録しています。また、2005年からは環境マネジメントシステム(EMS)との複合外部審査も毎年実施しています。営業・設計・施工の各段階において、本社部門や支店が品質マネジメントシステムに基づくマニュアルや実施要領に則しているか確認し、PDCAによる継続的な改善活動を実施しています。QMSの要件である内部監査実施のため、監査活動スキルを学ぶ内部監査員資格の取得と、一定年経過後のフォローアップ研修を実施しています。これにより品質向上と不良事象の低減・再発防止を図り、お客様に満足していただける製品やサービスを提供します。

品質マネジメントシステムの運用

品質を支える社内体制・教育・啓発活動

当社では、発生した品質問題の原因を分析し、再発防止に向けた品質管理の改善活動を継続的に行っています。

施工前・施工中の品質管理体制

工事を着工する前に、まず支店、作業所、専門部署などのメンバーにより当該工事の安全・品質管理チェックポイントを複眼的に確認します。作業所においては、これら事前に検討された事項を踏まえ、当該工種実施前に施工安全検討会、作業手順周知会、作業打ち合わせといった場を利用して協力会社を含めてQCDSE※全般を確認、共有します。施工上の懸案が発生した際には、社内技術部署などと協議した後、次工程に進む仕組みとしています。あらためてこのプロセスを徹底するとともに、万が一施工トラブルが発生した場合、情報が経営陣に速やかに共有される体制に見直しています。
作業所に勤務する当社技術員については、経験などを踏まえ適正な人員で構成します。本社・支店部門は技術指導や繁忙期などの人的支援に加え、社内検査など品質確保に関わる体制を見直し、強化しました。
当社の品質管理における新たな取り組みとして、2024年度より、作業所内で発生した比較的軽微な品質事象についても社内報告を徹底する制度を導入しました。これは、軽微な事象でも全社で共有することで、初動の早期化並びに早期の水平展開により、手戻り及び工事停止の削減および原価増大・工期遅延の防止を図るためです。
また、品質マネジメントシステム(QMS)に基づく、QC工程表やリスクマネジメント工程表などの運用を通じ、工程内検査を体系的に実施し、不具合の発生を防止することで、是正対応に伴う追加コストや逸失利益の発生を抑制し、「 稼ぐ力の再構築」につなげています。
さらに、デジタル技術の活用として、3Dデータに時間軸を加えた4Dシミュレーションを用いた施工ステップや作業手順の検証を推進することで、段取り不備の低減、やり直しの削減、生産性向上に寄与しています。また、良好な品質管理を実現するため、技術員のリソースや協力会社の稼働状況を勘案した受注計画を従前より策定し、最適な施工体制構築に努めています。

人材育成・技術伝承

マネジャー・ミドルクラスの施工マネジメント能力向上や、若手技術員の技量向上、早期育成に向けた育成プログラムのあり方を継続的に見直しています。具体的には、多様な経験のためにジョブローテーションを行うとともに、必要な基礎知識・スキルの習得状況を記録・可視化する「OJTマスターカード」を運用し、効果的で効率的な教育を意識しています。定期的な研修や日常の会議体における品質管理や瑕疵対応事例の共有や、作業所単位の勉強会「Site-Learning」、業務の段取りを可視化しベテラン社員の経験などを伝承する「ローリングバッグ」など、品質に対する従業員の意識向上に取り組んでいます。

啓発活動・通報制度

2022年度からは、啓発活動期間として11月を品質月間、第一週を強化週間と定め、品質巡視、外部講師による品質講演会を開催し、意識向上を図っています。なお、品質問題の未然防止や早期発見・改善を図るため、2022年1月から内部通報制度の利用対象者を協力会社などに拡大しました。

組織風土の変革へ

個別施策に加え、より根本的な取り組みとして2025年度から過年度に発生した労働災害や品質事故トラブルを振り返り経営者から各従業員に至るまで風土改革研修に取り組み始めました。単なる11つひとつの事故トラブルの再発防止に留まらず社内の企業風土を向上させ、風通しの良い企業風土を構築することで個人の判断に委ねず組織として判断することを目的としています。万一、品質に関する事象が発生した場合、すぐに社内へ報告し、是正計画を策定、発注者等の承認の下、是正することで 設計・施工品質の向上をに全社一丸となって取り組んでいきます。

QCDSE:施工管理の根幹となる、Quality(品質)、Cost(原価)、Delivery(工期)、Safety(安全)、Environment(環境)、5つの要素の頭文字を取った言葉

施工品質のさらなる向上・信頼回復に向けた取り組み

過去の重大な品質問題に鑑み、組織および風土の見直しを行い、報告・連絡・相談のしやすい組織風土の醸成に向け、事故・トラブルを未然に防ぎ、お客さまからの信頼を強固なものとするために風土改革啓発センターを本社に開設するとともに、その場所で単なる再発防止を目的とした研修に留まらない、社員全員を対象にした過去の品質事象を風化させない研修を始めました。

風土改革啓発センター開設

2025年10月、再発防止の徹底と、一人ひとりの行動変容を促すことを目的に、本社に風土改革啓発センターを開設しました。同センターでは、単なる再発防止にとどまらず、過去の品質事象を 風化させないための全従業員向け集合研修を実施しており、全従業員が過去の教訓を学び、真の風土改革に取り組んでいます。今後も継続的な研修を通じて、組織全体の意識改革をさらに推進していきます 。