TCFD提言に沿ったシナリオ分析

TCFD提言に沿ったシナリオ分析

TCFD提言に沿った情報開示

当社は、2020年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(以下TCFD)の提言に賛同しました。これに基づくシナリオ分析により、長期経営計画では財務的インパクトを120億~160億円と算定しています。経営者が将来のリスクと機会について議論したうえで、影響の重要性を企業として認識し、経営施策に反映することが重要であると捉え、今後とも、TCFD提言に沿った情報開示の充実を図るとともに、気候変動のリスクと機会を把握しつつ、脱炭素社会の実現に向け、社会的価値と経済的価値の両立を目指す取り組みを推進していきます。

ガバナンス

長期経営計画を策定する過程においては、気候変動への対応を含め、取締役会にて議論を行い、意見を反映させています。長期経営計画で特定した、気候変動に関するリスクと機会および3つの提供価値に基づく施策については、取締役会にて進捗をモニタリングしていきます。目標の達成を定期的に確認するために、従来のCSR委員会から体制を変更し、サステナビリティ委員会として監督体制の強化を図っていきます。

リスク管理

マテリアリティに基づく全社的なリスクと機会について、事業部門ごとに年度実行計画に落とし込み、取り組んでいます。この取り組み状況については、四半期ごとにモニタリングし、経営会議に報告することでリスク管理を行っています。
また、当社のサステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)のうち、気候変動に関するリスクと機会を特に重要な課題と認識し、社長を委員長とするサステナビリティ委員会(旧CSR委員会)で、全社的なサステナビリティ活動のモニタリングと推進を実行しています。

主な施策と財務的インパクトの算出(例示)

戦略

気候変動リスクの低減に向けた3つの提供価値を軸とした長期経営計画を2021年5月に公表しました。公表に際しては、複数のシナリオ分析により、中長期的な持続可能性におけるリスクと機会を特定しました。さらに、リスクと機会が具体的に当社の事業に対して与える影響について検証しました。
その結果、パリ協定で合意された平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃以内の上昇に抑えるシナリオにおいては、当社の財務に与えるインパクトは120億~160億 円と算定しました。これにより、気候変動リスクの低減は長期経営計画達成に不可欠であると認識し、施策やその目標値を定めています。

当社の中長期的な持続可能性におけるリスクと機会およびその対応策

リスク・機会 施策 Scope 提供価値



炭素価格の高騰(炭素税の導入) 事業活動における使用電力の再生可能エネルギー化(P52例示参照) 2 脱炭素
重機・ダンプの非化石燃料化 1 脱炭素
サステナブルな調達への対応厳格化 木質建築事業の推進 3 脱炭素
生コンクリートなど建設資材の低炭素化 3 脱炭素
廃棄コスト高騰 廃プラスチックの削減等による廃棄物の最終処分量の低減
再生材の使用促進
3 廃棄物ゼロ

省エネ建物のニーズ拡大 ZEB設計・施工の推進(P52例示参照) 3 脱炭素
省エネ技術による施工ニーズの拡大 脱炭素に貢献する革新的技術の開発と運用 1・2・3 脱炭素
再生可能エネルギーのニーズ拡大 再エネ関連の新規事業の立ち上げ 2・3 脱炭素
サーキュラーエコノミーへの政府の積極姿勢 廃棄物再資源化に貢献する革新的技術の開発と運用 3 廃棄物ゼロ
建設廃棄物の自動選別を行う「廃棄物選別ロボット」の活用 3 廃棄物ゼロ




生態系破壊への対応厳格化 グリーンインフラの導入推進 3 脱炭素
防災・減災
気温上昇による労働環境の悪化 徹底した熱中症対策
BIM/CIMやPCaの導入推進による現場のDX推進で
作業効率の確保・向上
防災・減災
激甚災害に伴う工事の中断 サプライチェーンとの強固な関係構築によるBCMの実施 防災・減災

インフラ整備の重要性持続 インフラ建設・維持修繕工事の推進
インフラ運営事業(PPP/コンセッション等)の推進
防災・減災
インフラアセットマネジメントの推進による長寿命化への貢献 防災・減災
災害激甚化に備えた建物ニーズの拡大 建物健康診断や豪雨被害予測による建物長寿命化への貢献 防災・減災
デジタルツインによる被災シミュレーションツールの構築 防災・減災

指標と目標

SBTとRE100で掲げた目標を前提に、これらを達成するための新たな技術開発や新たな事業展開などを推進していきます。

項目 基準年 対象 2030年 2050年
温室効果ガス 2018年 Scope1・2 30%削減 100%削減
Scope3 30%削減
再生可能エネルギー 再エネ電力利用率 100%