東急建設

モクタスのソリューション SOLUTION

在来軸組工法による純木造4階建てモデル

完成予想CG/軒の深いモクタス4の外観イメージ

基本コンセプト

モクタス4の開発に向けて

2010年の木促法※1の施行以来、公共建築物の木造・木質化が加速し、公共建築物の木造率は法制定時の8.3%から13.8%※2に上昇しました。
一方で民間建築物については非住宅分野や中高層建築物の木造率が低位にとどまっていたことから、2021年10月に法律を一部改正。
題名が「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」に変わり、
法律の対象が公共建築物から建築物一般に拡大しました。法改正を受け、経済同友会も非住宅分野での木造建築の普及を呼びかけています。
東急建設は脱炭素社会の実現に向けて早くから環境活動に取り組み、東急グループの一員として都市の木造・木質化を唱えています。
目指すのは木心地のよいまちづくり。その第一歩として、まずはここに純木造4階建てビル「モクタス4」を提案します。

Concept 1

汎用性の高い多用途モデル建築

モクタス4は、オフィスビル、共同住宅、高齢者施設、宿泊施設などの用途を想定した汎用性の高い多用途モデル建築です。

Concept 2

脱炭素化に貢献する純木造建築

脱炭素社会・持続可能な社会の構築に向けて、人として、企業としての社会的な責任が強く問われるようになりました。
建築物の木造化・木質化の取り組みには直接的にも、間接的にも社会貢献できるメリットが多く備わっています。

Concept 3

外部環境と心地よく接する日本的建築

四季や自然を感じて生きることが日本人の基本です。日本の伝統的建築物はすべて外に向かって開放されていました。
内と外の中間領域である縁側などは、より自然に近づいた場といえます。そうした日本古来の空間美を現代的に再生します。

モクタス4の特性① 構造的意義

純木造建築で無柱大空間を実現します。

モクタス4は汎用性の高い多用途モデル建築として、想定する用途の中から最も広い空間が求められるオフィスビルを基準に設計しています。
純木造でありながら最大223.5㎡(27.3m×8.19m)の無柱空間を実現するためにセンターコア方式を採用し、構造的合理化を図っています。
また、純木造とすることで建物全体の軽量化を図り、コスト低減を実現しています。

完成予想CG/モクタス4の無柱大空間イメージ

最大223.5㎡の無柱空間を実現

既存技術を活用して無柱空間を創出します。❶X方向は空間創出に優れた木質ラーメン架構(鋼板挿入ドリフトピン接合)を、❷Y方向は高耐力耐力壁を用いた在来軸組工法を採用しています。柱・梁だけで水平力に耐えるラーメン構造の採用により、S造やRC造のような大空間を実現できます。また、センターコア方式の採用により構造的合理化も図っています。

RC造と同等の耐震性能

建築基準法に従って建てられた建築物は、構造種別に関わらず同等の耐震性能を有しています。また、地震の揺れにより構造体が受ける外力は、建築物の重さと揺れの加速度で決まることから、構造体そのものの荷重が軽い木造は大きな外力を受けるリスクが小さくて済みます。

減価償却期間が短く節税に効果的

木造オフィスビルの法定耐用年数=減価償却期間は、RC造(50年)の半分以下の22年であり節税に効果的です。2倍以上の減価償却費を計上できるため、手元のキャッシュフローが厚くなり返済に回す余地が高くなります。実際の耐用年数は税法上の耐用年数よりも長く、メンテナンスを適切に行うことで永く使用できます。

木造建築の寿命は短くない

建築物の寿命に関する研究の第一人者、早稲田大学小松幸夫名誉教授の調査研究により、構造材料の違いは建物の平均寿命に影響しないことが判明しています。我が国の木造建築の歴史は古く、補修を繰り返した結果、千年以上の歳月を経ても現存しています。建築物の寿命は所有者が何らかの理由で建替えが有利と判断したときに尽きる。これが正しい認識です。

世界最古の木造建築物「法隆寺・西院伽藍」(金堂・五重塔)
白川郷の国指定重要文化財 和田家

RC造と同様の建物維持管理

木造建築の維持管理、メンテナンスのあり方は、RC造と大きな違いはありません。モクタス4も通常の建物維持管理を行うことで老朽化を抑制することができます。

公的な助成制度を利用可能

国は木材利用の推進を後押しする狙いで補助金を支給する事業を実施しています。事業毎に補助対象、補助率、施設の用途等、その他条件が異なります。オフィスや商業施設、宿泊施設等の民間の非住宅建築物を木造で建設する際に利用できそうな主な助成制度(2021年度)は以下の通りです。

木造建築に利用できる主な助成制度(2021年)
  • ❶ JAS構造材実証支援事業等
  • ❷ CLTを活用した先駆的な建築物の建設等支援
  • ❸ 都市における木材需要の拡大事業
  • ❹ サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)

主管省庁/❶〜❸ : 林野庁 ❹ : 国交省

モクタス4の特性② 空間的意義

多様な用途にフレキシブルに対応します

コロナショックは、人々の行動や意思決定要因となる価値観、そして都市構造の変化をも生み出しています。ニューノーマル時代を迎えオフィス立地の分散化が加速し、郊外の都心化による職住近接が進むと考えられています。ここでは、都市近郊や郊外の新しいオフィスニーズを想定してモクタス4をベースとしたレイアウトプラン例として都心通勤型サテライトオフィスビルのプランを紹介します。

モクタス4の基本データ

主要構造
木造(在来軸組工法)
規模
地上4階建て
建築面積
1,028㎡(310.97坪)
延床面積
2,949㎡(892.07坪)
最高高さ
19.10m
基準階高
3.8m
木材使用量
797㎥(国産材)
耐火仕様
国道交通省告示第1399号仕様
耐火性能
耐火構造

フレキシブルなレイアウトが可能

柱のない8.19mスパンにより多様なオフィスレイアウトに対応しています。入居者のニーズや企業規模の変化により、5.46m×8.19mの小割から最大27.3m×8.19mまでフレキシブルな空間配置が可能です。1・2階の大半が店舗や会議室等の共用スペースを想定しているため、高齢者施設や宿泊施設への用途変更も容易です。

外気に接する心地よい環境を創出

センターコア方式の採用により4面が外気に接する心地よい執務空間が創出されています。開口部には木製カーテンウォールをしつらえた縁側オフィスやリラクゼーションスペースとなる軒下バルコニーを設置しています。また、コア空間は4層を吹抜けることで最上部から自然光を取り込み、柔らかい光で共用部を満たします。

フロア面積 586㎡(執務室専有面積)

モクタス4の特性③ 環境的意義

木造建築にはさまざまな環境的意義があります。

持続可能な社会を構築していく必要性が高まる中、木造建築を推進する意義はグローバルに認識されています。国内においても環境保全に対する関心が高まり、新たな建築計画に関して地元住民と合意形成を行う場合においても重要な要素のひとつとなってきました。持続可能な開発目標(SDGs)の達成や、環境や社会、企業統治を重視するESG投資への対応を意識する企業が増加してきたこともその流れを強く後押ししています。モクタス4は797㎥の木材を使用することでCO2(二酸化炭素)を728.2t固定し、脱炭素化に貢献します。さらにZEB化も視野に入れて設計しています。

ZEB化が可能 (Zero Energy Building)

モクタス4はZEB化に貢献します。例えば屋根形状は太陽光発電のソーラーパネルを設置しやすいよう配慮しています。センターコア方式の採用も、執務空間への自然採光の取り込みや自然換気、自然通風に配慮した結果です。また、バルコニーや庇による日射調整、共用部の吹抜けを利用した重力換気、雨水利用も提案します。

  1. ❶ 太陽光発電の設置(屋根一面)
  2. ❷ 自然採光の取り込み
  3. ❸ 自然通風の採用
  4. ❹ バルコニーや庇の日射調整
  5. ❺ 吹抜けを利用した重力換気
  6. ❻ 雨水槽の設置(雨水利用)

木造建築は第二の森林

森林の樹木は大気中のCO2を吸収して成長します。それを切り出し木材として建築物に利用すると木材に残った炭素が建築物に固定化され、地球温暖化防止に貢献できます。森林が炭素を固定する役割を持つことになぞらえ、木造建築は第二の森林とさえ呼ばれています。また、木造建築であっても建築物を建てるという生産活動そのものはCO2の排出を伴いますが、木材は鉄やコンクリートなどの化石資源を使用した原材料と比較して製造・加工時のCO2排出量が少なく、建設工事でCO2を減少させるには木造建築が有利です。

モクタス4のCO2削減効果とCO2固定量
  • CO2削減量 約1,000t
  • 建物全体削減率 約31%
  • CO2固定量 約728t
  • 建物全体率 約23%

同プランをS造で建設した場合のCO2排出量と木造で建設した場合のCO2排出量を比較したCO2削減量。林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン」、「LCIデータベースIDEAv2」、建築学会 「LCA指針2013」を基に東急建設で試算

健全な森林サイクルの実現に貢献

森林には❶地球環境保全、❷生物多様性保全、❸土砂災害防止・土壌保全、❹水源涵養他、多面的な機能が備わっています。「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が定められた目的は、木材利用の促進を通じた木材自給率の向上と森林の適正な整備に寄与することです。樹木を伐採した跡地は新たに植林されるため、木造建築の普及は「使う」→「植える」→「育てる」→「収穫する」という健全な森林サイクルの実現に寄与するだけではなく、森林の多面的機能の回復にも役立ちます。

森林の多面的な機能
  • ❶ 地球環境保全(地球温暖化緩和・気候安定)
  • ❷ 生物多様性保全(遺伝子・生物種・生態系)
  • ❸ 土砂災害防止・土壌保全(表層崩壊防止・雪崩防止・防風)
  • ❹ 水源涵養(洪水緩和・水資源貯留・水量調節・水質浄化)
  • ❺ 保健・レクリエーション(療養・保養・行楽・スポーツ)

木造新時代の3つのキーワード

木造新時代を読み解く上で欠かせない3つのキーワードがあります。SDGsは持続可能な社会を実現するためのグローバルな目標、ESGは環境、社会、企業統治を重視する投資のあり方、TCFDは投資分野における企業の気候変動への対応です。それぞれのキーワードは相互に関連し、いずれにも木造建築は大きな役割を果たします。かつてはリターンを犠牲にするといわれたESG投資も今やメインストリームになっています。2019年に国交省が実施したESG投資原則に即したオフィスの不動産価値調査にも木造建築の経済的価値向上が垣間見えます。

モクタス4の特性④ 健康的意義

完成予想CG(左上・右上)/木製カーテンウォールが印象的な縁側オフィス (右中)/リラクゼーションスペースとなる軒下バルコニー
(左下)/エントランスホール (右下)/2階ラウンジ

インフルエンザを抑制する調湿効果

木材は空気中の湿度が高いと水分を吸収、低いと水分を放出する調湿性能を備えています。湿度に影響されるインフルエンザウイルスの発生を抑制できます。

免疫力を向上させる森林浴効果

木材の揮発成分(香り)により、免疫力が向上する森林浴効果が報告されています。また、木材の抽出成分には抗ウイルス性があり風邪をひきにくい体質をつくります。

心から寛げるリラクゼーション効果

スギやヒバの揮発成分(香り)や木の視覚効果により木質化空間のリラクゼーション効果が報告されています。作業効率も有意に高くなる傾向が確認されています。

大怪我を抑制する衝撃吸収効果

木材のパイプ状の組織は、まず表面層の細胞がつぶれ、さらに次の層がつぶれるというように衝撃力を吸収するため、転倒時の怪我や落下物の割れを軽減できます。