東急建設

原宿側(北側)から渋谷駅方面を望む「代々木公園 BE STAGE」全景。渋谷と原宿をつなぐ結節点としての立地が見て取れる。

PROJECT @TOKYO

代々木公園 BE STAGE

渋谷と原宿の間、代々木公園の一画に生まれた、
「はじめる」を支える公園一体型施設。

渋谷と原宿の賑わいをつなぐ 新しい結節点

岸記念体育会館跡地が再整備され、代々木公園に公園一体型施設「代々木公園 BE STAGE」が誕生した。東京都のPark-PFIの枠組みのもと、東急不動産を代表企業とする事業体が整備・運営を担っている。渋谷と原宿を結ぶファイヤー通りの中間に位置する同施設周辺はもともと人通りが少なく、渋谷・原宿の賑わいはそれぞれのエリアで完結していた。

そこで東急不動産は代表企業として、両者の間に賑わいを生み、人の流れをつなぐ結節点となる施設づくりを目指した。掲げたコンセプトは「はじめる人になろう」。緑あふれる既存の代々木公園や、これまでも様々なムーブメントが生まれてきた渋谷・原宿に隣接する立地特性を踏まえ、挑戦する人が一歩踏み出せる場をつくる。その思想が全体の設計と運営の出発点になっている。

商業施設棟のエントランス。多摩産材を用いた木製ルーバーに「YOYOGI PARK」のサインを掲げ、やわらかな印象を演出する。
商業施設棟から張り出したテラス(ウッドデッキ)。通路の庇裏側にも木製ルーバーを配し、屋外空間に木の連続性を与えている。

小さくはじめられる仕掛けを空間に実装する

渋谷のストリートカルチャーとの親和性を踏まえ、近年オリンピック種目としても注目を集めるスケートボードを楽しめるアーバンスポーツパークを設置した。エキスパートだけでなく、初心者や親子連れまで、誰もが気軽に挑戦できるようフラットなスペースを多く確保したインクルーシブな設計となっている。あらゆるレべルの人々が同じ空間で楽しみ、互いにリスペクトし合う新しいスポーツコミュニティの醸成を目指している。

商業施設棟・1階の通路。階段を上がるとイベント広場へとつながる。
中央に天然芝を配したイベント広場。

建物の3階には、シャワーやロッカーを備えたランニングステーションを設け、出勤前や仕事帰りに気軽に立ち寄り、快適にランニングを楽しめる環境を提供する。さらに、スポーツ後のクールダウンや仲間との交流の場として利用できるカフェも併設。単なる機能的な施設に留まらない、豊かなランニングライフをサポートする拠点を目指した。

アーバンスポーツパーク。初心者や子どもたちがはじめる入口となるよう、広い平場を中心に構成している。

環境先進の思想を緑の連続と木質化で形にする

東急不動産の担当者・馬岡さんは、同施設を、環境先進企業としての姿勢を公園という開かれた舞台で体現するプロジェクトだと語る。まず意識したのは、明治神宮や代々木公園A地区、B地区から連続する緑をこの場所でも受け継ぐことだ。原宿側の入口には象徴となるケヤキを据え、公園内には高木から低木、地被類に至るまで多種多様な樹種を混在させ、木々の表情で空間の雰囲気をつくり分けている。

公衆トイレ。屋根に太陽光パネルを設置し、発電した電力を園内に還元している。

豊かな植栽計画に加え、建物の「木質化」や「省エネルギー化」も同社の環境配慮への姿勢を示している。エントランスや庇裏のルーバーにふんだんに使用された多摩産材は、代々木公園から続く緑の景観と柔らかく調和し、訪れる人を温かく迎え入れる佇まいを創出している。また、建物の性能にもこだわり、高断熱化などにより、省エネルギー性能を示す「ZEB Ready」認証も取得した。

「木や天然芝は維持コストがかかり直接的な利益には繋がりませんが、環境へ真摯に向き合う姿勢が施設の新たな価値となり、人々を惹きつけると信じています」と語る馬岡さん。その言葉通り、日中は愛犬と過ごす人々が広場と店舗を自由に行き来し、夜はランナーの拠点となるなど、心地よい空間に日々の賑わいが生まれ始めている。

同施設の開発に携わった東急不動産株式会社 都市事業ユニット 渋谷事業本部 タウンマネジメント部 事業企画グループ 主任 馬岡靖歩さん。
商業施設棟・北側外観。木製ルーバーの水平ラインが外観に温かみを与え、公園の緑と呼応する。

代々木公園 BE STAGE 商業施設棟建築概要

所在地
東京都渋谷区神南1丁目1-1
構造・規模
鉄骨造(一部RC造)地上3階建て
延床面積
約2,430㎡
工事種別
新築
竣工年月
2025年1月