PROJECT
@AICHI
木と図書が、学びの風景を変えていく
小牧市立小牧南小学校
木と図書が、学びの風景を変えていく
地域に開かれた新しい学校建築
図書を通じてつながる開かれた学びの場
小牧市立小牧南小学校の設計において、中心的なコンセプトとなったのは、図書を核にした「小牧山ステップ」である。教育目標で掲げられた「つながり合い」「学び合い」を空間として具現化するために、建築の中心に多層構成の図書空間が計画された。1階から3階までを貫くこのエリアは、子どもたちの移動動線の中に組み込まれており、従来の閉じた図書室とは異なり「通り抜ける図書館」として設計されている。
設計を担当した久米設計の的場さんは「図書と子どもたちの関係がもともと非常に近い地域だったからこそ、開かれた図書空間が実現できました」と語る。加えて、地域に根差した軸線を意識して吹き抜けの角度を設定するなど、都市との関係性を空間に落とし込む試みもなされており、単なる校舎建築を超えた設計思想が表れている。
子どもたちのリアルな声が木質化の出発点
本計画では、木の温もりを随所に活かした木質化が図られている。きっかけは設計段階で実施された児童とのワークショップだ。対象は当時の小学4年生、約120名。子どもたちに世界中の図書館の写真を見せながら「どんな図書館で本を読みたいか」と問いかけることで、具体的なイメージを引き出した。結果として多くの子どもが「木に囲まれた図書室で本を読みたい」と希望し、それが空間設計の重要な指針となった。「今の図書室は狭くて古く、落ち着いて本を読めない」という声も多く、書架や床、天井に温かみある木材を採用することで、子どもたちが快適に過ごせる居場所の創出が図られた。「木を使えるところはふんだんに使おうと考えました」と語る的場さんは、県産材や再利用材を活用しながら、機能性と素材感を両立させている。
