星乃珈琲店美しが丘店
木の空間が、ブランド体験を変えていく
郊外店舗に広がる木質化の可能性
蔵づくりの星乃珈琲店が新たな店舗開発に取り組んでいる。
日本レストランシステムの店舗開発課長「吉村」さんに「星乃珈琲店のこれからの店づくり」を伺った。
星乃珈琲店としては希少な木の温かみを感じる店づくり
星乃珈琲店の店舗は、これまで9割以上を鉄骨で開発してきましたが、美しが丘店は、土地オーナーの意向があり、当社としてはレアな木造を採用しています。外観は蔵タイプ、内装は落ち着いたクラシカルな店づくりが多かったのですが、美しが丘店では、この土地の風景と調和する建築を目指したのも大きな特徴です。設計は、基本的なレイアウトを当社で行い、内外装のデザインを一級建築士事務所西川拓平田悠にお任せしました。建物のサイズ感に制限がありましたので、外からも見通しの利く閉鎖感のない空間を要望して提案いただき、できあがったのがこの店舗です。せっかくの木造ですから構造そのものを魅せながら天井を高くとり、北面の高窓から自然光を取り込みました。東面の壁面には全面鏡を貼っています。建物が揺れた時に割れてしまうかもという懸念はありましたが、多少クリアランスがあったので問題ないということで採用しました。鏡に映し出された連続する構造体がとても美しく、面積以上に広く感じられる空間に仕上がったと思います。社内的にも評価が高く、設計者や家具についてお客様から本社にメールでの問い合わせがあるほどです。
こだわりぬいた勾配が美しい店内景観を生む
木構造自体を魅せるために、最も美しく見える勾配にこだわりました。歩道を歩く人からの視線にも配慮しながら、ここに至るまでにはパースや机上の設計だけではなく、模型による勾配検証を何度も繰り返しています。そして、決定した梁の勾配を軸に、パーテーションにも同じ角度をつけ、目隠しデッキにもシンメトリーな角度をつけています。このデッキは、歩行者からの視線を遮るだけではなく、植栽の影を映し出すスクリーンとしても機能し、窓越しで日々変化する景色を優雅に楽しむことができます。
「施工方法については、東急建設と入念な検討を行っていましたが、この規模の木造改修は経験がなかったことから、日々さまざまな問題が発生しました。ひとつひとつ潰していくのが大変でしたが、事業者と施工者で互いに協力して乗り越えました」と横山さんは当時を振り返る。
