東急建設

PROJECT @TOKYO

H1O(エイチワンオー)

人間中心の働き方を支える空間
都市型木造オフィスの新しい挑戦

働く意義、目的に応じて、働く場所が多様化する時代に、人間進化と人間回帰というふたつの視点から企業の生産性を高める“ヒューマンファースト”をコンセプトに掲げる野村不動産にこれからのオフィス戦略と、木造・木質化の関係について伺った。

開放的な屋上テラス。

ヒューマンファースト”とはなにか

 2020年夏、野村不動産は、「ヒューマンファースト研究所」を立ち上げた。学識経験者や有識者とともに新しいオフィスのあり方を探るプロジェクトだ。これからの企業には社員一人ひとりの生産性の向上が求められる。オフィスが担う役割は大きい。同研究所は、オフィスに実装する新機能や新サービスの開発を目的に、“ヒューマンファースト”という視点から新たな知見や視点の発見を目指し、“人間進化”や“人間回帰”に繋がる要因を探っている。同社のオフィスは、すべてにおいて“ヒューマンファースト”をコンセプトとしている。

壁面緑化されたファサード。
緑が強調されたH1Oのサイン。

ヒューマンファーストを具現化する 木造・木質化によるオフィス開発

リモートワークの定着により、オフィス環境の再編が求められている。同社は、個やチームの生産効率を高めるオフィス活用に向けてラインナップを拡充。その中でもコンセプトがそのままブランド名に反映されたサービス付小規模オフィスH1O(エイチワンオー)は、木造・木質化の急先鋒だ。同社都市開発事業本部の齊藤建築部長に伺った。

「木造・木質化は、業界の関心も高まっています。弊社のオフィス戦略にとっては、コンセプトを具現化するためのキーワードといえるでしょう。弊社では、まずバイオフィリックデザインから着手しました。それを進めているなかで木質空間の魅力や、環境配慮を考えていく上で、建物の木造・木質化を考えるようになりました。」

H1Oは、ビルの数フロアに開設されるビルトイン型とビル全体をH1Oとする1棟独立型がある。現在計画中の外苑前や芝公園、大阪の梅田茶屋町で開発される1棟独立型H1Oは、すべて木造ハイブリット構造を予定している。

「H1Oで木造・木質化の実績をつくり、今後のオフィスに波及させていきたいと考えています」と、同氏は今後の抱負を語ってくれた。

縦方向の軸線が象徴的なファサードデザイン。
入居者および来客者限定の共用スペースとして交流を生みだす「HUMAN FIRST SALON」。バイオフィリックデザインを象徴する空間は、緑が溢れる自然豊かな公園のようだ。

木造・木質建築に本気で取り組む 東急建設に期待したいこと

「木造・木質化は、社会的な潮流でもあり、お客さまにも受け入れられていると考えています。今後、木造・木質建築は確実に主流となっていくでしょう。弊社では、全社的に注力しています。例えば、集合住宅のプラウドでも共用棟の木造化や、ハイブリット木造での建設を計画しています」。

自然素材が印象的なエントランスホール。

同氏のいう通り、木造建築は世界的な潮流だ。しかし、国内には解決しなければならない課題も多い。

「現時点で木を使うと建設費があがります。事業者としては、その分をのせて賃料設定することはできません。今後、流通量の拡大によるコスト低減に期待しています。また、ゼネコンによって木造・木質建築への力の入れ方が結構違うようです。東急建設さんには専門の部署がありますね。ぜひ実績を積み上げていただき、我々が知らないような新しい木の使い方や表現方法、機能をご提案いただけるとありがたいですね。ゼネコンの提案を商品価値に転換するのが我々の役目だと思っています」。

巻頭でも述べたようにデベロッパーにとって、未知なる世界へのチャレンジには、エビデンスは欠かせないということだ。

木質化された2階の共用ラウンジ。緑の向こう側に会議室が配置されている。
野村不動産株式会社 都市開発事業本部 建築部長 齊藤康洋さん
※ソーシャルディスタンスを確保してインタビューしています。

H1O渋谷神南

所在地
東京都渋谷区神南
構造・規模
鉄骨造地上10階建て
延床面積
2,645.69㎡
工事種別
新築
竣工年月
2020年8月